マドリード日本人会

今日は何を書こうかと思い悩んでいましたが、余りインスピレーションが沸きません。そんな時に今日5月17日のEl Mundo紙世界情勢欄に”El`carnicero de los Balcanes’ se moja de sus víctimas” と言う見出しが目に入りました。セルビア人の元将軍が1992年から1995年の間のバルカン戦争で100,000人のボスニア人を殺戮し2百万人の人を故郷から追い出したと言う理由で戦犯として国際裁判に掛けられている事に関する記事でした。

バルカン半島の殺戮者とあだ名されるこの将軍が裁判で犠牲者の家族に向けて指で首を切るジェスチャーした事を指しているようですから”からかった”と訳したのではその冷血な態度は上手く訳しだされない気がします。その名詞である”Mofa”に載っている訳(愚弄、からかう)の内の愚弄を使って”犠牲者を愚弄した”訳す方がもっと実態に合っているようです。

但し、今日はバルカン半島の歴史の複雑さを考えるのではなく、2010年に最初にスペイン語愛好会を開催した際に講師として登場してくれた渡邊元公使が言葉(スペイン語)を楽に勉強する鍵の一つとして連想する事を進めていたのを思い出したからです。Mofarseと言う言葉を見て自分で発音して見て、きちんと発音しないとMojarseと間違えられる恐れがあるなと思ったものです。

日本人はスペイン語(あるいは英語も)のOとUの発音は苦手で、日本語の”お”と”う”の発音で片付けてしまいますが、そうするときちんとしたスペイン語にならないでスペイン人にきちんと理解してもらえない事が多々有ります。MofarとMojarはMoは同じで(但し、発音は日本語の”も”とは同じでなく)その後にfarとjarが来ますから、相手にきちんと理解して貰うにはそれぞれFarとJarをはっきりと発音をする必要が有りそうです。

”濡れる”と思っていたら”相手を愚弄していた”のでは格好がつきません。勿論、Mofarseには新聞の見出しに有るようにDeが付いてきますから、文脈からMojarseとの区別は付きそうですが。
因みにMojarの名詞はMojadura(濡らす事、濡れる事)で良いのでしょうか。

文責:新村

5 コメント to

“スペイン語愛好会:Mofarse ( からかう)とMojarse(濡れる)”

  1. 匿名

    新村様

    文中の「O」と「U」の発音について質問です。日本人がこの二つの母音の発音が苦手だというのははじめて聞きました。私も母音は日本語発音まったくそのままで何年も通してきましたが、今まで一度も指摘されたことはありませんでした。(子音の発音についてはいまだにさんざん注意されます。)ずうずうしいお願いですが、「O」と「U」の発音についてもう少し詳しく教えていただけますか。

    確かに、日本語の「お」と「う」は難しいですよね。「東京」に振り仮名を添えると、子供は「とおきょお」と書きます。恥ずかしい話ですが、私自身「通り」を「とうり」とまちがえていた経験があります。

    そういえば最近は「東京」を日本語っぽく「トキョ」と発音する人が増えてきたように思います。放送業界の人はちゃんと「Tokioトキオ」と発音していますが。(私は日本人ですが、「ト」にアクセントを置いた「トキオ」の方です。でも「京都」は「キオト」ではなく「キョート」と言っています。ちょっと気まぐれです。)

    スペイン語愛好会 愛読者(日本人♀)より

  2. Yoshiro Niimura

    感想を送っていただき有難うございます。

    日本語の”お”と”う”はスペイン語の”O”と”U”と違うのは(専門的な説明はその道に通じた方がしてくれると有りがたいのですが)、唇の位置ではないでしょうか。スペイン語の場合は唇が日本語より先に出てもっとつぼめた形で音を出します。例えば”濡れる”を発音する場合N’rer’とローマ字で書いて外国人に発音してもらう方がNureruと書いて発音して貰う場合よりより日本語に近い発音になるはずです。同じ例で自動車会社のマツダも英語の商標はMazdaです。マツダをMatsudaと正式にローマ字表記すると外国人(スペイン人)はマトゥーダと(しかも)トゥ-のところにアクセントを置いて発音するでしょう。マツダとマトゥーダは大分発音上は離れていてこれを日本語に近づけようと思うとMats’da(あるいはMatsda)とローマ字表記する方が良いのではと思うほどです。

    逆に(例えば)スペイン語のEjecutivoのCuを日本語の”く”と同じ様に発音するとスペイン人にはきちんと通じません(何時も直されるのでこの例を使いました)。これは唇をつぼめて発音する必要が有ります。

    ”お”と”O”の場合も同じでお母さんと言うときの”お”の発音と”Oviedo”の”O”では唇の位置が違うはずです。

    更に、考えてみるとMofarseのFの音も日本語、スペイン語、そして英語で微妙に下唇のある場所が異なるように思えます。

    こう考えると日常余り注意しないでいる発音も誰か専門家にクリニックを開催して貰い正確な音を出せるように習う事も必要かもしれません。誰か専門家の方が居ると良いのですが。日本のスペイン語学部ではこの様な発音のクリニック科目はあるのでしょうか。誰か知っていたら教えてください。

    文責:新村

  3. 匿名

    「O」と「U」についてご説明をいただき有難うございました。鏡に向かって口を尖らせたりすぼめたり、ほうれい線を弛ませたりしながら、いろいろと試みました。家族を巻き込んで「O」のつく単語の大合唱をしてみましたが、私には区別がつきませんでした。ご説明にあるように、口は日本語の方が緩やかな鈍い動きだと思います。でも、音声では違いがわかりませんでした。(少々ショックを受けています。)そこで、Real Academia Española の“Gramática da la Lengua Española”を引っ張り出してみました。第一章の音韻についての第15項目に次のような説明がありました。

    “Cada uno de estos cinco fonemas vocálicos,………no se articula siempre, en los actos concretos de habla, con un mismo sonido constante. Exsisten variantes (o alófonos) que adoptan matices fónicos accesorios, ………. Dependiendo de su situación en la secuencia proferida, cada fonema aparece realizado mediante sonidos diversos; también las preferencias individuales pueden condicionar la aparición de estas variantes.”要約すると、それぞれの母音は常に同じ発音をするわけではない、また、個人差もある、ということだと思います。

    また、第15項に“En el fonema /u/ es más breve y cerrado en ‘nueve’ y ‘causa’; menos abierto y más labializado en ‘luna’,’cuba’ que en ‘azul’, ‘ruso’ o ‘lujo’.”“El fonema /o/ es más abierto en ‘conde’, ‘coz’, ‘rojo’, ‘ahora’ que en ‘codo’, ‘tomo’, ‘loza’, ‘mora’.”と例が挙げられています。

    というわけで、できる限りスペイン語の音素に近くなるように努力しながら、ひどい発音をしても「いやぁ、個人差ですよ」と明るく前向きにいきたいと思います。

    余談ですが、「Mazda」について。中学3年生のとき、社会科でゾロアスター教について先生が話してくれたことです。マツダの社長さんはゾロアスターの唯一最高善神であり、生命の創造主であるアフラ=マズダ Ahura Mazda から、この綴りを採用されたということでした。

  4. Yoshiro Niimura

    コメントを戴きながら返事が出来ておらず大変失礼しました。

    同じ”U”でも微妙な違いがある事が判りました。大変な発見です。相手が判ってくれればそれで良いだろうと思いがちですが、一歩でも母国語の人の水準に近づける努力は必要でしょう。

    そんな努力を続けているのを子供達が見てくれたら発音が悪くても多少は評価をしてくれるかも知れません。

    マツダですが、マツダ自動車のHPに入ってみて見たら御指摘の通り、ゾロアスターの最高神から取って居る事が載っていました。(それも”松田”の発音を正確に外国の方にして貰うにはローマ字表示がMats’daとなる事が伏線になっていると思います)。一つ勉強になりました。

    新村

  5. 木槌

    訂正です。
    「また、第15項に“En el fonema /u/ es(以下省略)」は、第16項の間違いです。失礼しました。

Copyright © マドリード日本人会. All rights reserved.