マドリード日本人会

弁当復活物語

2012年6月8日

本日6月8日付けのEl País紙に”Al cole con un ‘túper’ por culpa de la crisis”(経済危機のせいでタッパーウェアを持って登校)と言う記事が載っていました。この記事によると平均すると月150ユーロの給食費が経済的な問題から払えない家庭が全体(2010年の統計で714,000世帯)の15%から20%にも及んでいるとの事です。他方UNICEFの統計ではスペインの児童生徒の2.2百万人が貧困層と見なされる家庭に属しているとの事ですし、カタルーニャの団体のある統計によると児童、未成年者の4.4%が栄養状態が悪いとなっています。又、子供が1週間の内昼食、夕食として取る14回の内学校で食べる5回分だけがバランスが取れた食事だと言う統計もあります。
お弁当を学校に持って行くことを認めるとそれから色いろな問題が出てきます:お弁当の衛生上の管理責任は誰にあるのか、保存し又暖める施設は如何するか、お弁当を食べる場所を如何に確保するのか、給食を食べる子とお弁当を持って行く子の間に差別が出来ないか、お弁当が栄養上バランスが取れた物を持って行ける子供の場合は良いが、そうでない場合、お弁当の中身が問題にならないか、給食業者の立場はどうなるのか(収入減)等々。

賛否両論が出ていますが、根底にあるのは給食費を払えない子供に如何対応するかに尽きるようです。地方公共団体も財源が無く、支出を大幅に削減している現状から解決は難しそうです。

その記事の中でマドリードとバルセロナにある日本人学校の現状が紹介されているのが興味を引きました。バルセロナ総領事館工藤領事の回答として、日本ではお母さんが朝早くから起きて家族のお弁当を作る習慣がある事(領事自身も愛妻弁当派との事です)、学校も国も児童生徒の栄養面の健康には十分に留意している事、給食施設がない場合は教室でお弁当を食べる事が紹介され、日本人学校でも同じ様にお弁当を持って行くが、これは経済的な問題ではない事(児童生徒の大半は駐在員の子弟と紹介されています)が述べられています。

スペインのお弁当の問題の記事に日本を絡ませて記事を書いたこの記者の方は中々の日本通と思えますし、日本に好意的な内容の記事になっている事も感謝したいと思います。

但し、翻ってみると、日本でも給食費の未納の問題があったりするようですから、学校給食に問題が無い訳ではないようです。実情をこの記者の方に知って貰うには良い機会かと思いました。

Googleで調べてみると日本には学校給食法と言うのがあり、昭和29年6月3日に制定されていて、最終の改定は平成20年6月18日となっています。丁度この法律の制定時に脱脂粉乳の牛乳を小学校で飲んだり、その空きダンボール容器(子供が二人くらいは入れた)に入って、廊下をグルグル、ゴロゴロ廻って遊んだ事、そのちょと後位から牛乳瓶に入った牛乳が支給され始めた事、更にその後から学校給食が始まり、布巾を毎日持って学校に行った事、先がフォークのように尖ったスプーンで食事した事があっと言う間に昨日の様に思い出されました。

文責:新村

2 コメント to

“弁当復活物語”

  1. 木槌

    昼食前に下校するjornada continuadaの小学校が増えつつあると聞きました。中学校は昼食なしで6時間授業が一般的だと思いますが、長男が通う公立中学校は週2回7時限まで授業があります。終了するのは15時25分です。もちろん昼食の時間はありません。遠くからバスや地下鉄で通う子供達は、家に着くと16時を過ぎてしまいます。空腹をこらえて一目散に帰宅するか、学校のカフェでお菓子を買って食べながら帰るか、あるいは中休み2回と下校時用に3回分のボカディーリョやサンドイッチを家から持って行く子供もいるかもしれません。(私は2つ用意します。)

    長男の担任の先生は、自分の生徒が何も持ってきていないのを知ると、カフェに連れ出してボカディーリョを買ってくれるそうなのです。息子も買ってもらったことがありますが、先生は代金を受け取ってくれません。それ以降は、高熱で寝込んでいようが寝不足でボケていようが必ずパン食を作って持たせています。
    カフェのボカディーリョは1,2ユーロで種類も豊富、量もあり美味しいという評判で、いつでもカウンターには長蛇の列ができるそうです。育ち盛りの子供達が、3時4時近くまでお昼ご飯を食べられないのはかわいそうだな、と思います。(だから、血糖値が下がりすぎてスペインの中学生は成績が芳しくないのでは!?)

  2. 木槌

    ハンカチの入った引出しの奥から、色あせた布切れを見つけました。黄色いチューリップが散りばめられた柔らかいその布は、私が幼稚園児の時に使っていたお弁当包みです。隅っこにカタカナで名前が刺繍されています。お弁当の中身もお弁当箱も思い出せませんが、きゅっと固い結び目をなかなか解けず半べそをかいていた小さい自分を覚えています。私の自慢のお弁当包みでした。

    「どうしても捨てられなかったのよ」と、何十年も大切にとっておいた母の気持ちが手から伝わってきて、目頭が熱くなりました。ハンカチの一番下で眠っていたこのチューリップのお弁当包みは、数日前から私の手抜き弁当をしっかり包んでくれています。

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