マドリード日本人会

‘スペイン語愛好会’ カテゴリー

予想以上の20名を超える参加者を得てスペイン語愛好会が3月22日午後6時半から日本大使館多目的ホールで開かれました。原本”ノルウェイの森”とそのスペイン語訳”Tokio Blues”を使って日本語の原文から読み取れる世界とスペイン語訳から入り込む世界の繋がりを参加者全員が各自の経験を基に分析すると言う大変興味深い試みでした。参加者には日本語教師会の日本語の先生方、翻訳を仕事にされている方も居て、中々高度なやり取りも見られましたし、又、全く日本語が判らないあるいは日本語を学んでいるスペイン人の方も居て、大変貴重な意見を出してくれました。参加者の大半は日本語が好き、スペイン語をもっと深めたいと言うフツーの日本人の方でしたが、年齢層も20台から40台を中心にした若い方が多かったのも今回の愛好会の特徴でした。
参考までに今回使用した教材の一部をファイルに載せておきます。今回のスペイン語愛好会に参加された方も、出来なかった方も意見を寄せてもらえれば大変有り難いです。
今回は予定時間を越えてしまいましたが、午後8時半の終了まで2時間があっと言う間に過ぎた感じでした。モデレーターの不慣れもあり折角の機会なのに写真を撮り忘れてしまいました。残念。
次回は4月を予定しています。

文責:新村 嘉朗

ノルウェイの森 1

今日は午後7時半から地下鉄Anton Martin駅の近くにあるFilmotecaで日活映画”拳銃(コルト)は俺のパスポート”を見てきました。日活創業100周年を記念して国際交流基金が企画した”日活リバイバル-1939-1989”の中のひとつです。3月から4月にかけて映画監督12人の作品23本を上映します。他には”腐った果実””赤い殺意””隠し砦の三人””洲崎パラダイス””幕末太陽伝””豚と軍艦”等聞きなれたタイトルが並んでいます。フランス、米国でも上映され、スペインではバルセロナとラ・コルーニャに次いでマドリードで3番目の紹介となります。

今日見た映画は1967年に製作された野村隆監督の作品です。横浜を舞台に殺し屋を巡るやくざの話ですが、映画の紹介にもある様にマカロニウェスタンを彷彿させます。内容は兎も角、宍戸錠、ジェリー藤尾や綺麗な女優さん(この方の名前が出てきません)、横浜、 (さらに…)

”ノルウェイの森”はビートルズの曲ですが、この曲が本の題名になるだけあり色いろな場面で出てきます。最初は主人公ワタナベが37歳の時にボーイング747で11月の冷たい雨が降り頻るハンブルク空港に着陸した後機内のBGMとして流れてきて、それに触発されて1969年の秋の二十歳ちょっと前の自分が草原で過ごした頃を思い出し心の混乱を感じて飛行機の席に座り込んでしまいます。

村上春樹の”ノルウェイの森”を買った読者も(僕と同様に)題名から来るイメージに誘われて買った方が多かったのではないかと思います。

でもこの”ノルウェイの森”の歌詞(英語ではNorwegian wood)は良く読んでみるとWoodの単数は木材、複数は森と学校で習った者には本当に”ノルウェイの森”と訳して良いのか疑問に思えますし、実際大きな論争を呼んだ様です。

これをどの様に訳すかは翻訳の見地から見て大変興味深いものがありますが、その討論は実際の愛好会の会合に回し、ここでは英語の歌詞を添付するだけに止めます。

文責:新村

Beatles Norwegian Wood Lyrics 言語のみ

次回のスペイン語愛好会では村上春樹の”ノルウェイの森”を日本語とスペイン語で読み比べる事に挑戦してみたいと思います。開催の日時は未定ですが、それまで討論の材料を幾つか提供して行きます。

ある作家を理解するにはその方が生まれて、生きた世界を把握する事も重要でしょうから、まずは村上春樹の略歴を挙げて見ます。これを見ながら色いろと想像するのも楽しいものです。特に比較の対象に取り上げた”ノルウェイの森”の主人公”ワタナベ君”は1968年に18歳と言う設定になっていますから、村上春樹と同じ世代を生きたと言えましょう。

又、スペイン語の訳を理解するには、どの様な方が日本語からスペイン語に直す責任を果たされたかを知るのも大切です。翻訳は原作と言う制約を受けつつも一つの創作であり翻訳者が原作者をそして原作中の人物を如何に自分に取り入れていくかが良い訳を紡ぎ出すには必要な気がします。訳者のLourdes Portaは1993年からバルセロナの国立語学学校で日本語の先生をしていますが、この方のスペイン語訳を楽しみたいと思います。インターネットで見つけた批評の中に村上春樹の作品の多くをスペイン語に訳したLourdes Portaの訳を読みなれた読者が最新作の”1Q84 “をスペイン語で読んだが違和感を感じて途中で読み止めたと言う批評が載っていました。良く見てみたら訳者が違っていた事を発見して自分の違和感の原因が判ったとコメントをしています。Lourdes Portaの水準の高さを示す逸話でしょう。

1987年9月に講談社から書き下ろしで刊行され爆発的人気を得た”ノルウェイの森”が2005年6月まで(約18年を必要としました)スペイン語に翻訳されなかった経緯を知るのも面白そうです。

文責:新村

村上春樹略歴 最終版

訳者略歴Lourdes Porta Fuentes最終版

Casa Asiaが1月14日から4月7日の午後7時から9時まで近代から現代までの日本文学講座を開催します。森鴎外、夏目漱石から始まり村上春樹やよしもとばななまでを網羅します。講師はコンプルテンセ大学日本文学教授のCarlos Rubioさんです。是非スペイン人の友人に声をかけていただければと思います。
嶋田さんの翻訳した幸田露伴の小説が出たばかりですし、日本文学に興味を持ってくれるスペイン人が増えるのを期待する所大です。

講座要綱を別添ファイルに掲載して置きます。

文責:新村

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