石丸佳代子

 留学生としてマドリードに居を構えたのが12年前。それまでも休暇でこの街を度々訪れてはいましたが、まさか学業を終えてからもこの地にすっかり住むことになるとまでは思わず、最初の1年目に誘われて餅つき大会や盆踊り大会へ行った時も、マドリード日本人会と看板にあっても特にだからどう、という思いは浮かんできませんでした。

 それが、時を経るごとに、様々な、でもとても貴重なことを教えて下さった方、身の回りで小さな事大きな事万事を助けて下さった方、見返りなしですっかりお世話になった方、楽しい話題や出来事をもたらしてくれた方、どんどんと輪がつながって行き、気がつけば皆さん日本人会で活躍されている方ばかりでした。それで、実に自然な成り行きで今、マドリード日本人会に加わりお手伝いをしております。

 ですから、このたびマドリード日本人会が平成27年度外務大臣賞を受賞したことを大変うれしく感じております。様々なきっかけとご縁でマドリードに来られ、激動の時代を超えてここまでいらした皆さんお一人お一人の、たゆまない歩みとご尽力に思いを馳せると同時に、私自身の歩みも振り返り、日本の美しさとスペインの美しさを様々なかたちで私達の世代に伝えてくだっていること、今日の日までつなげてくださっていることへの感謝の思いも新たにいたすところです。

 私を日本人会に誘って下さった大先輩の可愛らしいお言葉は「気軽でいいの、町内会に毛が生えたみたいなものよ。」でした。
 時を経て私達の次の世代の人たちが、私と同じように、身近で和気あいあいとしたこの和に集い、日本のよさ、スペインのよさ、人と人のつながりの大切さを感じて下さることを願っております。